株式会社タカ マテリアル アンド システムズ研究所
高機能インクとは、
などのすべての要因を満足するものです。
インク組成の検討においては、例えば色再現性を重視して色材濃度を高めた場合には、ヘッドの吐出特性や信頼性の確保が難しくなります。
逆に信頼性を高めるために、保湿剤を多く添加してインクの乾燥。固化を抑制した場合には、紙上での浸透・乾燥が著しく遅くなります。
また、インクジェットプリンターを長期間安定して使用するためには、インクからの異物の発生は大敵である。異物は多くの場合、添加されている色材の析出やインクの容媒によってプリンターの部材が侵される事によって発生する。それらを避けるために、インク添加物の制約を受け、画質、速乾性、ヘッド吐出特性の確保が難しくなります。
先に挙げたA,B,C,Dのそれぞれの要素は相反する性能となるため、それらを満足させ、バランスを取ることに技術的な難しさがあります。
インク組成は、色材—保湿剤—界面活性剤—その他添加剤—有機溶剤の“組み合わせ妙=匠の技術”によって確立されるものです。
さらに、紙への浸透。乾燥性を向上させるために界面活性剤などを使用することが多いが、この場合には、洗剤のように著しく泡立ち易いインクとなる事があります。インクジェットプリンターにおいては、ヘッド内に気泡が混入すると、インク吐出不良を発生させ、信頼性を低下させる原因となるため、泡の消え易いインクとする事が必要です。